北陸地域の各県は古来より東アジア(特に北東アジア)との交流を行っており、いまやグローバル化に向けて経済面での連携が不可欠となりつつある。北陸地域の経済資源を活用した北東アジア地域との連携を探る。
平成21年度は2年間の研究成果を踏まえ、北東アジア地域でもとりわけロシア極東、中国東北部における近年の開発計画に着目し、企業の進出可能性について検討する。

平成21年度研究成果

北陸と対岸に位置するロシア極東、中国東北部では近年、「東北振興」「極東ザバイカルプログラム」「APEC首脳会議」「東シベリアパイプライン」といった大規模プロジェクトが計画されている。3年目の21年度は、こうした対岸のプロジェクトに伴うインフラ整備に着目、国内市場の縮小で厳しい状況にある北陸の建設業・関連産業の進出可能性を探った。

1. ロシアへの進出可能性

2007年8月「極東ザバイカル社会経済発展プログラム」、2009年8月「ロシアエネルギー戦略」。このようなインフラ関連プロジェクトに、日本の、北陸の建設業・関連産業がどのように関わることができるか。

ロシア・ウラジオストクでの聞き取り、北海道のサハリンプロジェクトの経験、最近の極東建設動向等を調査。結論としては、日本企業の単独参入は難しい。企画・設計段階から如何に食い込むか、自社の技術・価格競争力を如何にアピールできるかがポイント。

2. 中国への進出可能性

中国で事業展開している国内のゼネコン等へ状況や展望、アドバイス等の聞き取りを実施。

日系の大手・中堅ゼネコンも多数進出しているが、現地企業との価格競争は激しく、受注の中心は日系製造業の工場建設。また2001年のWTO加盟は一見、自由化のようだが、実態はライセンス要件などで、外資系企業への規制が厳しさを増している。

3. 北陸企業の動向

中国やロシアに建設需要があっても、国内ビジネスにはない異質なリスクや厚い壁により、北陸の建設業の海外進出は進んでいない。進出は、偶然にもたらされる人的関係がきっかけとなることが多く、現地でパートナーとなる企業への信頼調査がほとんど期待できない。目の前の人物鑑定を唯一の手掛かりに契約を進めるか断念するかの決断を迫られるケースが大半である。

4. 提言

  • 「国際化支援のための政策プラットフォーム(仮称)」の設置。
  • プラットフォームが海外展開に対する「支援スキーム」を起案。海外情報の共有化・データベース。行政機関による支援策、相手国政府とのバックアップ体制。金融機関、商社による金融スキーム、信用調査など。
  • 北陸地域、新潟県の企業(関連業含む)に対しプラットフォームへの参加を呼びかけ。

プロジェクトⅠ 北陸地域における北東アジアとの経済連携の調査研究 報告書