プロジェクトⅡ「北陸地域の自立に向けた方策の調査研究」第2回全体会議 議事
- 日 時:平成21年8月19日(水) 13:30~15:30
- 場 所:富山地鉄ホテル11F「剣の間」
出席者:
- 共同研究者
- 事業創造大学院大学 副学長 原 敏明
- 信州大学教育学部 教授 石澤 孝
- 福井大学工学部 教授 川上洋司
- (財)北陸経済研究所 地域開発調査部担当部長 酒井 毅
- (財)新潟経済社会リサーチセンター 調査部長 梅崎治夫
- 長岡商工会議所 専務理事 樋口栄治
- 事務局
- (財)北陸経済研究所 桐木 均、長 康博
- (社)北陸建設弘済会 須田敦司、玉木賢治、大堀和明、佐藤駿太郎
資料:次第、出席者名簿
- 資料1 2009年度プロジェクトⅡ・検討計画(案)
- 資料2 2009年度プロジェクトⅡ第2回全体会議資料
- 資料3 北信越各県の県際収支
- 資料4 中枢都市と北信越諸都市の就業構造及び商工業の状況
- 資料5 ヒアリング調査について
- 参考資料 2009年度プロジェクトⅡ第1回全体会議資料から抜粋
- 当日資料 北信越市町村別病床数分布
上信越都市圏パートナー形成の合意書
【要旨】
- 検討計画の都市圏との連携、圏域内連携については、共同研究者からの意見・指摘のあった点を反映させる。
人口:
人口増減の理由や背景、DIDと行政区分による人口の相違等を考慮し、具体の連携内容を考える際に留意する必要がある。
産業振興:
産業構造や地域の特徴を知り、何を伸ばしていくか、何が必要であるのか考える必要がある。
経済活動:
消費構造の実態を知り、卸売・小売の時代変化や市民の消費活動の傾向を把握する必要がある。
地域の一体感の醸成:
道州制や地域連携を考える際は、具体の分野や目的を明確にし、市民がその必要性を理解できるようにする必要がある。
- ヒアリング内容については会議内容を踏まえ事務局で精査する。静岡経済研究所へはヒアリングは実施しない。
1.都市圏との連携、圏域内連携について
事務局より資料等について説明。
(意見・指摘等)
人口について
- 3大都市圏、特に東京の人口増加が顕著である。90年代半ばに一時的に地方の人口増加がみられたが、自然増・社会減だったので地方回帰ではなかった。
- 不況時には海外進出企業の撤退があり、それが人口の社会増につながるといった現象もあり、昨今もそれが当てはまるが、実際には東京への集中が続いていて地方は厳しい状態にある。北陸地域の自立的な発展のため、人と物の流れを活性化して、いかに自立的な経済圏を達成するかが当プロジェクトの主眼である。
- 一つの県でも中心性の高まっている都市とそうでない都市があり、一つの都市でも市町村合併で中心的な部分とそうでない部分とがある。県間・地域間の連携といっても、その辺を見誤らないようにしなくてはならない。
- 人口は行政の区分で見るか、DIDで実質的な規模で見るかによって異なる。
- 例えば仙台市の人口増加は、東北の他県からの流入なのか、それとも東北地域外からの流入なのか検証してはどうか。北信越地域で仮にある都市の人口が増加したとしても、それが地域内からの流入なら、近隣の市町村が衰退することになってしまう。
- 人口の社会増は、県庁の存在等行政機能の集積によるところが大きい。仮に北信越地域内に中心都市を置くと、そこが発展してしまうのは明らかである。一極集中か機能分担か、考えなければならない。
産業振興について
- 産業は外需・内需のいずれに集中すればよいのか、農業も含め考えていかなければならない。
- 産業連関表では、製造業や電力で収支がプラスなのに対し、対事業所サービスがマイナスである。対事業所サービスがプラスなのは東京だが、一人当たり県民所得の都市部と地方との格差が拡大し、第3次産業の都市部への集中が強まる中で、地方はいかに生きていくかを考えなければならない。
- 産業分野の多様性がない地域は不況の影響が大きい。各県や地域の内部で連携を取り合っていくことができればよいのではないか。そのための総合的なマネジメントが必要なのではないか。
- 地域の特徴を伸ばし、足りないところを補っていく必要があるが、産業連関表で表現される産業構造を変えるには相当の時間がかかる。産業支援や都市相互での高度医療の利用など相互補完が必要ではないか。
- 行政は工業団地の造成には熱心だが、産業振興の総合的な視点が欠如している。どのような企業の誘致を図り、既存の工業とどう連携していくか考えたり、低迷する産業分野に単に支援するのではなく新しいものを生み出していくことを考えたりする必要があるのではないか。
- 行政は企業誘致に積極的であったが、仮に新潟県が全国展開の一つの生産拠点とすると、不況時には撤退や雇用調整の対象となる。産業施策では、既にある自前の産業を基礎にして、開発設計や最終組立の段階を含め、生産プロセスの大部分がその地域の中で展開するのが大切なことではないか。さもないと、地方に立地するのは生産工程の中間の一部だけになり、付加価値率が上がることはありえない。
- 長野県の電気機械は内発的で地域に根付いた産業であるように、北信越の産業は、中小企業主体で付加価値率が低いが、地元で育ってきた点に強さがある。産業振興は各企業の努力に負うところが大きいが、税負担軽減、補助金給付、産学官連携による技術開発支援等の政策が必要である。
経済活動について
- 自立の根拠として明快なのは経済的自立=産業連関表の県際収支がプラスであることだが、北信越各県は現在は経済的には自立していると言える。
- 商業販売額では、小売業販売額に比べ卸売販売額は都市・地域間の差異が大きく、人口集積のあるところほど額が高くなっているが、長野市より松本市が額が高いなど、製造業の発展度合いとの関連も見られる。また、小売業販売額は大都市の周辺部では全国平均や県平均を下回るところもあり、消費活動が大都市に吸い取られていることがわかる。
- 高速交通網の整備は卸売機能に変化を与えたのではないか。例えば、新潟の卸売機能が東京に集約され、卸売の事業所や卸売販売額の減少・低下につながっている。
- ショッピングセンターは核店舗が百貨店と量販店の場合とがあるが、福島県会津地方の百貨店閉店で、その地域の住民が新潟市へ買い物に来るようになるといった都市機能の分担が見られるようになるのではないか。
地域の一体感の醸成について
- 市町村合併の検証もされない中、市民の認識や理解が不十分な状態で道州制が導入の方向で検討されていることに危うさを感じる。
- ヨーロッパはEUになり、「EUとして」を大前提に競争が行われるようになっている。例えば、都市交通や都市政策などでは、サスティナビリティとバイタリティを考慮した政策にはEUから補助金が出るが、それらを高めようと連携・情報交換しながら、最終的に成果を競い合う良い競争になっている。道州制でこのような視点を生かせるのではないか。
- 福井県では、全国規模の地域立地型の研究所である若狭湾エネルギー研究センターがあり、福井大学では国際原子力工学研究所が平成23年度から立ち上げられる。福井大学単独ではなく、京都大学、大阪大学、名古屋大学、日本原燃や核燃料サイクル開発機構などのサポートを受け、原子力関係技術者養成という特長を出せる。原子力分野なら、東京電力(新潟県)、北陸電力も発電所を持っている。連携といっても、特色あるキーになるもの、連携する素材がないと、見えるものが出てこない。
- 今、BCリーグがあるが、競争ではなく選抜して1チームつくりプロ野球に参入することで、一体感が出てくるのではないか。そういう意識付けや、モデル的な連携プロジェクトが必要ではないか。今の若い人は北陸は分かるが、北陸三県、北陸地域をひとつの地域として自立させていく意識や感覚が希薄である。
- 意見・指摘の内容をもとに、検討計画を修正すること。
2.ヒアリング調査計画について
(1)ヒアリング調査実施計画について
事務局よりヒアリング調査計画について説明し、質問内容について意見をいただきたい旨を依頼。
(意見・指摘等)
- 中海・宍道湖経済圏として米子市が松江市等と一つの圏域を形成することを、鳥取県や県都の鳥取市はどう考えているのか。鳥取県あるいは鳥取市の米子市との関係について、尋ねてはどうか。
- 当該の圏域・地域外の都市との関係について質問内容に追加する(中海・宍道湖経済圏以外についても同様)。
- 質問内容は最終的には事務局にて作成・精査する。
(2)静岡経済研究所について
- 事務局より、三遠南信地域のヒアリングは静岡経済研究所を候補の一つとしているが、同所へ実施したほうがよいか、意見をいただきたい旨を依頼。
(意見・指摘等)
- 三遠南信は、候補である浜松市と東三河地域研究センターで聞くことができると思う。
- 静岡と浜松という2つの政令市の関係について尋ねるなら、静岡経済研究所へヒアリングしてもよい。
- 三遠南信の構想は、豊橋市が名古屋市にいかに対抗するか考えたのが発端であり、静岡市よりは名古屋市との関係を考える必要があるのではないか。
- 静岡経済研究所は候補から除外する。
3.第3回会議について
10月中旬から11月上旬の開催とし、日程調整は追ってメールにて行う。












