プロジェクトⅡ 現地調査・結果の概要

中海・宍道湖経済圏

1. 松江商工会議所

  • (1) 日時:平成21年9月7日(月)9:30~11:30
  • (2) 場所:松江商工会議所

2. (株)山陰経済経営研究所

  • (1) 日時:平成21年9月7日(月)13:30~15:30
  • (2) 場所:山陰合同銀行別館

3. 調査者

  • 信州大学教育学部 教授  石澤 孝
  • 北陸経済研究所 地域開発調査部 担当部長  酒井 毅
  • 長岡商工会議所 専務理事  樋口 栄治
  • 北陸経済研究所 地域開発調査部 調査担当部長  桐木 均
  • 北陸建設弘済会 北陸地域づくり研究所  佐藤 駿太郎

東瀬戸経済圏

1. (財)岡山経済研究所

  • (1) 日時:平成21年9月8日(火)9:30~11:30
  • (2) 場所:ちゅうぎん駅前ビル

2. 調査者

中海・宍道湖経済圏と同じ

三遠南信地域

1. 浜松市

  • (1) 日時:平成21年9月14日(月)14:30~16:30
  • (2) 場所:浜松市役所

2. (社)東三河地域研究センター

  • (1) 日時:平成21年9月15日(火)10:00~12:30
  • (2) 場所:東三河地域研究センター

3. 調査者

  • 事業創造大学院大学 副学長  原 敏明
  • 福井大学工学部 教授  川上 洋司
  • 地域振興研究所 理事  谷本 亙
  • 北陸経済研究所 地域開発調査部  長 康博
  • 北陸建設弘済会 北陸地域づくり研究所長  青木 義男(浜松市のみ)
  • 北陸建設弘済会 北陸地域づくり研究所  佐藤 駿太郎

松江商工会議所

日時
平成21年9月7日(月)9:30~11:30
対応者
松江商工会議所 専務理事  木村 和夫
産業振興課 課長  遠田 順
観光振興課 課長  高尾 健司
産業振興課 係長  金井 壽彦
観光振興課 主任  竹下 昌宏

調査概要

1. 中海・宍道湖経済圏における都市圏・都市間の連携の概略

いわゆる「中海・宍道湖経済圏」(以下「この圏域」といいます。)の範囲を構成する市町村は、市町村合併後ではどの範囲と考えればいいでしょうか。

松江市、出雲市、斐川町、安来市、東出雲町、境港市、米子市が該当する。より広域には、日吉津村、伯耆町(淀江町…2005.3米子市と合併)を加えることもある。
また、松江、安来、米子、境港の4市の市長会(中海市長会)も組織されている。

市町村合併に伴い、圏域内における地域間・都市間の分担や補完等において、新たに生じた影響や課題等はあるでしょうか。

現在の松江市を構成する旧市町村(1市7町村)は、各々のカラー、特色の中で生業を営んできたが、合併でそれが薄まりつつある。新しい松江市のイメージ、どういう都市として生きていくかが示しにくい。
産業では、2005年から4市1町で「中海圏域産業技術展」を開催し、主として関西や山陽地方のバイヤーとの商談を通じて受注を獲得するための機会を提供している。
製造業、特に金属化工業などは、県境に関係なく自由に行き来している。
両県でこの県境をまたがるマップ「山陰遊悠絵図」を使用している。かつての地図は、他の自治体のエリアは「白かった」。連携の動きは観光が中心になる。
境港や米子が観光のためにまとまるなら松江サイドである。
玉造温泉と皆生温泉は競争が行われている。競争がないと活性化はない。
島根県は県全体としても鳥取県より広島県との交流が強い傾向にある。

この圏域が構成されるに至るまでの歴史的背景や共通する文化的背景・蓄積には、どのようなものがあるのでしょうか。

中ノ海ブロック経済協議会は、商工会議所が中心となり50年前に組織され、現在も存続している。

当プロジェクトでは地方都市圏・都市間の連携において、どのような分野・領域で分担や補完が可能か研究しているところですが、この圏域において実際に連携がみられるのは、どのような分野・領域でしょうか。

松江市は国際文化観光都市を標榜している。観光を中心にできている圏域であり、広域交流をするなら観光が中心になる。

(例)医療面では、第2次医療圏として、鳥取県の「西部」と島根県の「松江」が隣接していますが、この間の行政間の調整はどのようにして図られているのでしょうか。また、この圏域の住民の医療行動(相互利用等)はどのようなものでしょうか。

大学の医局を通じたつながりがある。松江には、赤十字、市立、生協があり、県立病院は出雲市にある(出雲市には島根医科大学)。

2. 都市圏・都市間の連携の展開

この圏域の連携を担っている主な組織(連絡調整のためのものを含む)はどのようなところがあるのでしょうか。また、連携の手法や課題、課題解決おける重要な点などをご教示願います。

中海四市観光協会会議、NPO大山大国、神話の国縁結び観光協会等がある。島根の「鉄鋼会」は鳥取と連携している。

この圏域を構成する「市役所」の連携(役割分担や相互補完など)に対する考え方はどのようなものでしょうか。また、どのような取組が行われているのでしょうか。(例…市民による各種施設(美術館など)の相互利用割引)

松江市は境港市との人事交流を通じて観光の振興等に役立てている。

都市圏間の時間距離の長短、後背地や周辺環境の相違、地域資源の有無等によって、連携方策や内容に違いはあるでしょうか。

地域間の利害調整が課題となる。観光資源、財源、共通テーマのなさ等によって、温度差が生じることがある。

3. 中海・宍道湖経済圏固有の連携の特色

この圏域と県庁所在地である鳥取市や、この圏域の西端に位置する出雲市との連携や機能分担はどのようなものでしょうか。(人口面では鳥取市・出雲市とも相応の規模があるように思えます。)

鳥取市と松江市は人事交流をした時期もあったが既に終了している。観光をはじめ、両者に共通するテーマがなかったためである。

米子市-松江市-出雲市間、米子市-倉吉市-鳥取市間は、いずれもJR特急利用で約1時間で列車の本数も多くあり、また高速道路・高規格道路の整備も進んでいます。このような交通状況の進展は、この都市間の連携にどのような効果を発揮しているとお考えですか。

文化面では松江が強いが、商業(買物)の面では米子が強く、どちらもお互いをうらやましく思っている。
一方、山「陰」で、鳥取~米子・松江間を何のために移動するのかを考えると、この区間は高速交通の必要性が低い。両県とも山陽側に目が向いている。

この圏域からの瀬戸内海側の主要都市(広島市、岡山市)への移動はどのような交通機関(JR、高速バス)が主に担っていますか(使い分け、役割分担など)。また、瀬戸内海側との時間距離が比較的長いことが、この圏域内の連携にどのような効果や影響を及ぼしているとお考えですか。

松江からの高速バスは、三次市から高速道路に乗り、広島まで3時間半で行く。松江を7時に出ると広島のバスセンターに10時半に着き(乗車率は50%程度)、広島は日帰り出張圏になった。一方、岡山はバスで4時間かかる。

4.北陸地域との比較

北陸では一定間隔で都市が連なる「連接型都市構成」という特有の構造が見られ、特に富山-金沢間等では県境を越えて日常的に人が往来(通勤・通学、買物)しています。この圏域では同様の事例はあるでしょうか。

松江から米子へ、買い物客の移動といった人の流れはあるが、その他は企業が支店の集約で人の動きが生じている程度である。

北陸の都市圏・都市間の連携としては、①大都市(東京・名古屋・大阪)-北陸間、②北陸地域内の主要都市間(富山市-金沢市-福井市等)、③北陸地域内の主要都市と中小都市・農山漁村間、の3層からなっています。この圏域では、階層の存在や連携の特色等はあるでしょうか。

松江と米子は一方的に吸収するということはなく、それなりの集積が続いている。

 

㈱山陰経済経営研究所

日時
平成21年9月7日(月)13:30~15:30
対応者
山陰経済経営研究所 取締役地域振興部長               遠藤 励志
主任調査役                          泉  洋一
主任研究員                          田立 善人

調査概要

1.中海・宍道湖経済圏における都市圏・都市間の連携の概略

いわゆる「中海・宍道湖経済圏」(以下「この圏域」といいます。)の範囲を構成する市町村は、市町村合併後ではどの範囲と考えればいいでしょうか。

松江・米子・安来・境港の4市のほか、中海・宍道湖・大山圏域広域観光連携事業推進協議会、山陰文化観光圏等の構想・活動もあり、観光関係は範囲をより広く捉えているが、具体の範囲は幅広い解釈がある。

市町村合併に伴い、圏域内における地域間・都市間の分担や補完等において、新たに生じた影響や課題等はあるでしょうか。

中海・宍道湖経済圏の構成市町村は、かつて23であったが合併で8となっており、話し合いや検討作業を行うには好都合となった。中海市長会の発足にもこの要因がある。
平成18年には常設事務局設置、平成19年からは公共施設共同利用など、具体の取組となっている。

この圏域が構成されるに至るまでの歴史的背景や共通する文化的背景・蓄積には、どのようなものがあるのでしょうか。

弥生時代・古墳時代の古代出雲、出雲と伯耆の国、松江藩・米子藩の歴史がある。

・当プロジェクトでは地方都市圏・都市間の連携において、どのような分野・領域で分担や補完が可能か研究しているところですが、この圏域において実際に連携がみられるのは、どのような分野・領域でしょうか。
(例)経済・産業面では、松江市は商業・サービス業に、米子市は製造業にそれぞれ強みがあるようにも見えますが、そのようになった背景やそれを推進した動きにはどのようなものがあるのでしょうか。

松江は行政・観光・サービス、米子は商業・サービスが中心だが、米子の商業は鉄道管理局・工場と専売公社工場の存在が大きかった。境港は漁業・水産業が中心である。

(例)観光面では、中海・宍道湖周辺の市町村が一つの観光空間を創出している印象を受けますが、この地域を一括してマネジメント・PR等を行う組織はどのような組織で、具体的にはどのような活動をしているのでしょうか。特に、複数の県や市町村にまたがる点をどのようにして調整しているのでしょうか。

商工会議所による観光協議会の活動や、観光協会合併、市長会、観光庁事業(山陰文化観光圏)、鳥取のキャンペーン等がある。

国土交通省の呼びかけによる道路整備のための圏域構想検討委員会メンバーの中から具体的な取組が生まれた。

(例)医療面では、第2次医療圏として、鳥取県の「西部」と島根県の「松江」が隣接していますが、この間の行政間の調整はどのようにして図られているのでしょうか。また、この圏域の住民の医療行動(相互利用等)はどのようなものでしょうか。

各消防本部の連携で、一次医療では大根島・美保関からの搬送は境港を経由している。

2.都市圏・都市間の連携の展開

この圏域の連携を担っている主な組織(連絡調整のためのものを含む)はどのようなところがあるのでしょうか。また、連携の手法や課題、課題解決おける重要な点などをご教示願います。

同じ経済圏域内であっても、広報のほか、NHKや新聞も両県で異なるため、情報の格差が生じることがある。

この圏域を構成する「市役所」の連携(役割分担や相互補完など)に対する考え方はどのようなものでしょうか。また、どのような取組が行われているのでしょうか。(

例…市民による各種施設(美術館など)の相互利用割引)
中海周辺は市長会がある。

・この圏域がまたがっている「県庁」の連携(役割分担や相互補完など)に対する考え方はどのようなものでしょうか。また、どのような取組が行われているのでしょうか。
観光振興をとっかかりに、民間の活動に引っ張られ、東京のアンテナショップ運営、職員の相互派遣、中海の環境保全の活動等が進んでいる。

・都市圏・都市間連携を進めるにあたり、課題となるのはどのような点でしょうか。
鳥取市と米子市の間は距離が長いこともあり、連携はほとんどない。鳥取市も大阪(関西)に目が行っている状態である。高速交通網も途切れている。

・都市圏間の時間距離の長短、後背地や周辺環境の相違、地域資源の有無等によって、連携方策や内容に違いはあるでしょうか。
鳥取と米子については、60kmという距離があり、公共交通機関による圏域内のモビリティは十分ではない。
一方、米子と松江は機能集積のバランスがよく、地域の拠点として機能している。

3.中海・宍道湖経済圏固有の連携の特色
・この圏域と県庁所在地である鳥取市や、この圏域の西端に位置する出雲市との連携や機能分担はどのようなものでしょうか。(人口面では鳥取市・出雲市とも相応の規模があるように思えます。)
鳥取は距離が長く連携が希薄である。出雲(医療の集積がある)は自らの圏域の中心としての位置づけを固持する傾向もあるが、平田との合併によって、松江とつながったことから、中海宍道湖圏域の活動に参画を望む。

・米子市-松江市-出雲市間、米子市-倉吉市-鳥取市間は、いずれもJR特急利用で約1時間で列車の本数も多くあり、また高速道路・高規格道路の整備も進んでいます。このような交通状況の進展は、この都市間の連携にどのような効果を発揮しているとお考えですか。
鉄道・道路とも整備が進んで改善は見られるが、物理的・精神的に鳥取は遠い。
出雲は松江から見ると近いが、米子からは少し遠い。

・この圏域は、県境を越えたことに加え、中海と宍道湖周辺の地域間が連携し一つの圏域を形成していますが、このことの長所や課題にはどのようなものがあるのでしょうか。
米子・松江・出雲に通勤圏が分かれているが、一体化が進展すれば集積効果で効率的な行政運営が可能との見方もある。

・この圏域からの瀬戸内海側の主要都市(広島市、岡山市)への移動はどのような交通機関(JR、高速バス)が主に担っていますか(使い分け、役割分担など)。また、瀬戸内海側との時間距離が比較的長いことが、この圏域内の連携にどのような効果や影響を及ぼしているとお考えですか。
広島は高速バス・鉄道とも所要時間は3時間15分程度で、運賃はバスが格段に安い。岡山は両者とも運賃は拮抗している。
物流・観光では、遠いことはマイナス要因である。九州方面から訪れるツアー等もあるが、広島まで来てそこから山陰に抜けるまでの時間が長いとの声が聞かれる。
インフラ整備は経済効果があるとはいえ、宿泊需要を減退させるなどマイナス面もある。

・「定住自立圏構想」においても、定住自立圏を構成する中心市と周辺市町村、定住自立圏と大都市圏とのとの結び付きの強化が謳われています。この圏域では、米子市・松江市(周辺市町:境港市、安来市、東出雲町)が先行実施団体ですが、定住自立圏構想との整合・連動について、どのようにお考えでしょうか。
水平的、二極型の連携構築を目指しており、定住自立権構想とリンクさせて進められればと考えている。

4.北陸地域との比較
・北陸では都市圏・都市間の連携に加え、海産物・海洋資源や農産物・森林資源等による「海際・山際の連携」が見られます。この圏域では、同様の地域資源を活かした連携はあるでしょうか。
斐伊川、飯梨川、日野川の3つの1級河川管理、森林保全等に圏域として取り組みたいと考えている。


◆(財)岡山経済研究所
○日 時:平成21年9月8日(火)9:30~11:30
○対応者:岡山経済研究所 常務理事                         大崎 泰正
調査部長                          雄龍 清志
○調査概要
1.東瀬戸経済圏における都市圏・都市間の連携の概略
・いわゆる「東瀬戸経済圏」(以下「この圏域」といいます。)の範囲を構成する市町村は、市町村合併後ではどの範囲と考えればいいでしょうか。
東瀬戸圏企業経営動向調査(アンケート)のエリアは「岡山県、香川県、広島県備後地区」である。備後地区は、福山市、尾道市、三原市、府中市、神石高原町、世羅町の4市2町である。岡山県北部を除いている機関もある。

・この圏域が構成されるに至るまでの歴史的背景や共通する文化的背景・蓄積には、どのようなものがあるのでしょうか。
両県に桃太郎伝説が残っている。江戸時代には、金刀比羅宮(香川県琴平町)と、倉敷市にある由加山の両参りの習慣があったといわれている。
中国銀行、山陽新聞社(岡山市)の主要エリアは、岡山県、香川県、広島県備後地区。
山陽放送、岡山放送、テレビせとうち(岡山市)と、西日本放送、瀬戸内海放送(高松市)の主要放送エリアは岡山・香川の両県。
岡山、香川は、放送と金融は瀬戸大橋がかかる前から一体化している。

・当プロジェクトでは地方都市圏・都市間の連携において、どのような分野・領域で分担や補完が可能か研究しているところですが、この圏域において実際に連携がみられるのは、どのような分野・領域でしょうか。
・(例)経済・産業面では、岡山市は主として人口が集中し消費活動が旺盛な消費地であり、倉敷市や福山市は工業集積を有する産業の中心地との印象を受けますが、実際の地域間連携や補完はどのように展開しているでしょうか。
岡山・倉敷両市の間では、ある程度の機能分担関係はみられるが、連携・補完関係を意図して形成されていったものとは言いがたい。
岡山県北部(津山など)は、中国自動車道(高速バスやマイカー)を使って関西(ファッションは神戸)へ買物に行く。岡山市も(広島ではなく)関西へということになる。

・(例)地域によっては、例えば医療面で県境を越えて、住民が医療行動(相互利用等)をとったり行政間が調整したりする事例があるようです。その他の連携の例や、新たな構想・計画などがありましたら、ご教示願います。
岡山県赤十字血液センターは、中国・四国ブロックの基幹センターとなっており、四国の血液が不足する際は、岡山から輸送。(瀬戸大橋経由)
岡山・広島・香川・愛媛4県の瀬戸内海・豊後水道にうかぶ67の島々を、各県済生会病院の医師や看護師が「済生丸」に乗りこみ、検診・診療に巡回。
中国・四国地域に位置する8大学が一つのコンソーシアムを作り、各大学院に多職種のがん専門医療人養成のためのコースワークを整備。

2.都市圏・都市間の連携の展開
・この圏域の連携を担っている主な組織(連絡調整のためのものを含む)はどのようなところがあるのでしょうか。また、連携の手法や課題、課題解決おける重要な点などをご教示願います。
数多くの組織がある(略)。東西の連携に比べ、南北軸は意図的に進めないと難しい。

・この圏域を構成する「市役所」の連携(役割分担や相互補完など)に対する考え方はどのようなものでしょうか。また、どのような取組が行われているのでしょうか。
「岡山・倉敷まちづくり協議会」で、職員合同研修会、市域を越えた保育所入所、合同観光キャンペーン、広報誌の誌面交流、税徴収連携などを実施しているが、大きな流れにはなっていないようだ。

・この圏域がまたがっている「県庁」の連携(役割分担や相互補完など)に対する考え方はどのようなものでしょうか。また、どのような取組が行われているのでしょうか。
岡山県では「中四国州推進プロジェクト」として、環瀬戸内海文化連携など文化交流の推進、瀬戸大橋の利用促進、中四国横断新幹線(岡山⇔松江)の建設促進などに取り組んでいる。

・都市圏・都市間連携を進めるにあたり、課題となるのはどのような点でしょうか。
いずれも連携しやすい(効果の得やすい)部分(例えば観光推進、災害時の連携など)にとどまっている。広範な分野での役割分担や相互補完などが望まれる。

・都市圏間の時間距離の長短、後背地や周辺環境の相違、地域資源の有無等によって、連携方策や内容に違いはあるでしょうか。
都市機能集積の現状によって連携方策に違いが出ると考える。例えば、倉敷はコンベンション施設が少ないので、岡山市と連携して相互補完の関係を構築している。

3.東瀬戸経済圏固有の連携の特色
・この圏域には含まれない津山市や新見市(岡山県北部を入れる場合、入れない場合の双方がある)等との連携や機能分担はどのようなものでしょうか。
津山地域、新見地域は、日常の生活面では、それぞれ独立した圏域を形成している。
現状では、津山地域、新見地域は、四国との連携等はほとんどみられない。

・岡山市-福山間、岡山市-高松市間は、いずれもJR快速利用で約1時間で列車の本数も多くあり、また高速道路の整備も進んでいます。このような交通状況の進展は、この都市間の連携にどのような効果を発揮しているとお考えですか。
市民の間では、通勤、通学、買物などの日常行動で1つの圏域となっている。
岡山・香川間は、以前よりは交流が増えているが、一体化とまではいかない。なかなか、瀬戸大橋が「日常」のものとはならない。
香川県にとって、瀬戸大橋は「本州」と結ぶものという意識があり、岡山を足がかりに本州へ展開していく。
香川からは高速バスで明石大橋経由して神戸に買物に行くという動きがある。

・この圏域は、県境を越えたことに加え、瀬戸内海を挟んだ地域間が連携し一つの圏域を形成していますが、このことの長所や課題にはどのようなものがあるのでしょうか。
長所:自立的、協調的な経済圏の発展と瀬戸内海の一体的利用等多面的な連携
課題:この圏域を1つの圏域とみて発展策を講じる機関がない

・本州側内の連携、四国側内の連携と、本州・四国間の連携には、考え方、内容、熟度等においてどのような違いがあるのでしょうか。
地方整備局などの主な地方支分部局や経済連合会は、中国地域と四国地域に別々に設置されている。中国・四国間の南北方向の連携は、強力に推進しないと進展しにくい。
産業は岡山~広島の山陽筋に集中しており、四国は中央に山岳部があり一つへの求心力が出にくい。そういう意味では中四国で一つになるのがいいと思う。

4.北陸地域との比較
・北陸では一定間隔で都市が連なる「連接型都市構成」という特有の構造が見られ、特に富山-金沢間等では県境を越えて日常的に人が往来(通勤・通学、買物)しています。この圏域では同様の事例はあるでしょうか。
岡山市、高松市、倉敷市、福山市の人口規模が40~70万人と大きく、それぞれが地域の拠点となっている。それらに次ぐ都市は人口10万人以下と小規模。

・北陸では都市圏・都市間の連携に加え、海産物・海洋資源や農産物・森林資源等による「海際・山際の連携」が見られます。この圏域では、同様あるいは対置となる地域資源を活かした連携はあるでしょうか。
岡山市は、県北部の鏡野町富地域で分収造林事業や小学生の体験事業・交流事業などを実施している。また、高梁川に沿った文化交流がある。

5.その他
・その他、地方都市圏・都市間の連携について、何かお考えや、参考になる事例がございましたら、ご教示ください。
  さまざまな文化観光交流がある。
【広島や関西との関係】
広島市が最後のフルセット都市と思う。岡山の比較優位は「医療・福祉・環境」ではないか。岡山は物流拠点であるが、物流拠点であることから収益を上げるというソフトが必要である。


◆浜松市
○日 時:平成21年9月14日(月)14:30~16:30
○対応者:浜松市企画部企画課                                   久米 秀幸
○調査概要
1.三遠南信地域における連携の概略
・この地域が構成されるに至るまでの歴史的背景や共通する文化的背景・蓄積には、どのようなものがあるでしょうか。
三遠南信は、「塩の道」を通じた交易や、天竜川の木材・物資輸送が盛んであった。南信州と遠州・三河は方言が近く、中山間地の伝統芸能も共通している。
こうして培われた文化は、三遠南信地域の住民が共有する財産となっている。

・浜松市が合併により政令市となり、飯田市や新城市でも合併が行われるなど、この地域でも市町村合併が進んでいます。市町村合併に伴い、地域内における地域間・都市間の分担や補完等において、新たに生じた影響や課題等はあるでしょうか。
浜松市が政令指定都市となり、三遠南信地域の中心市としての役割や責任が生じている。一方で自治体の規模に格差が生じ、小規模自治体相互の連携が難しくなっている。

2.都市圏・都市間の連携の展開
・この地域の連携を担っている主な組織(連絡調整のためのものを含む)はどのようなところがあるのでしょうか。
三遠南信地域連携ビジョン推進会議(SENA)
①三遠南信地域交流ネットワーク会議・・・行政
②三遠南信地域経済開発協議会・・・商工会議所、商工会
③三遠南信地域整備連絡会・・・行政(道路)
SENA…平成20年度設置、21年度に豊橋市・飯田市から職員派遣、24年には新・連携組織の設置を目指している。

・また、連携の手法や課題、課題解決における重要な点などをご教示願います。
行政・商工会議所の課長クラスでの幹事会で連携を進めているが、三地域はそれぞれ特徴があり、コンセンサスを得ることが難しい面がある。

・この地域は、政令市、市、町、村と規模の異なる、数多くの市町村で構成されています。このことが連携に与えている効果や影響にはどのようなものがあるとお考えでしょうか。
また、「市役所・町村役場」の「連携」(役割分担や相互補完など)に対する考え方はどのようなものでしょうか。(地域や規模の大小による考え方の相違など。)
浜松、豊橋、飯田を中心に進めているが、中小の自治体への浸透が課題である。

・この地域がまたがっている「県庁」の「連携」(役割分担や相互補完など)に対する考え方はどのようなものでしょうか。また、どのような取組が行われているのでしょうか。
三遠南信自動車道の建設促進以外では、地域連携における県の影響は少ない。

・都市圏・都市間連携を進めるにあたり、課題となるのはどのような点でしょうか。
三遠南信地域は、生活圏と一致する圏域ではなく、共通課題や連携事業の設定が難しい。

・都市圏間の時間距離の長短、後背地や周辺環境の相違、地域資源の有無等によって、連携方策や内容に違いはあるでしょうか。
中山間地の振興、三遠南信自動車道の建設促進、観光振興等への対処については合意形成が図りやすいと考えている。

3.三遠南信地域連携ビジョン等について
(1)地域連携の現状について
当プロジェクトでは地方都市圏・都市間の連携において、どのような分野・領域で分担や補完が可能か研究しているところですが、この地域における連携の現状についてご教示願います。
・(例)特に、東三河地域と遠州地域の間は、鉄道や道路が充実しており、地域間の交流も活発と思いますが、「県境」はどのように意識されているのでしょうか。
新聞の地方版等メディアや行政施策の違いによって県境を意識する。

・(例)東海道線・国道1号線沿いに中核~中小都市が連なっており、静岡県東部の沼津市・富士市、同中部の静岡市、愛知県岡崎市等を中心として各都市圏が形成されています。これらの都市圏・各都市と三遠南信地域相互間における、交流や連携の有無およびその内容・特徴はどのようなものでしょうか。
三遠南信地域と他地域との交流や都市間連携はほとんどない。名古屋市の影響力が強い。

・(例)経済・産業面(農林水産業を含む)において、民間企業における「地域連携」や、公的セクターの地域連携にはどのようなものがあるのでしょうか。
三地域の商工会議所を中心に農商工連携などを進める「三遠南信バイタライゼーション」や、豊橋と浜松の産学官連携による「光・電子技術イノベーション創出拠点」がある。

・(例)医療面では、この地域の住民の医療行動(東三河地域・遠州地域・南信州地域相互間の医療機関の利用)はどのようなものでしょうか。
道路整備などにより、南信州地域で浜松の高度医療を受けられる地域を広めたい。

(2)南信州地域について
・南信州地域と東三河地域・遠州地域との人的交流及び経済交流(企業交流)の規模・内容はどのようなものでしょうか。
自動車産業や精密機械をはじめ取引は活発で、多くのビジネスマッチングが存在する。

・南信州地域からの東三河地域・遠州地域の都市機能の利用の規模・内容はどのようなものでしょうか。
東三河や遠州地域の都市機能を利用する機会は、生活圏の違いもあって少ない。

・南信州地域と東三河地域・遠州地域との交流における交通機関の役割分担の現状はどのようなものでしょうか。
ほとんどは車での移動となる。

・この点、三遠南信道が果たすと期待されている役割はどのようなものでしょうか。
産業集積・連携、救急医療(ヘリの活用)、文化・住民交流、観光圏の確立等がある。

・南信州地域から見て、東三河地域・遠州地域との交流と、信州中部(伊那、諏訪・塩尻、松本等)との交流はどう異なる(どのような関係にある)のでしょうか。
信州中部との関係以上のものである。

・南信州地域から見て、東三河地域・遠州地域との交流と、中央自動車道を通じての岐阜・名古屋との交流はどう異なる(どのような関係にある)のでしょうか。
企業活動や消費活動等においては名古屋とのつながりが強くなると考えられるが、歴史・文化的な背景から、この圏域での南北の交流・一体感は強固なものがある。

(3)連携ビジョンの動きについて
・地域の一体感を高めるには、県境を越える情報共有化の推進は極めて重要ですが、新聞・テレビ等のマスコミによる県境を越えるメディア連携はどのような動きにあるでしょうか。
地域版に三遠南信の特集を組み、定期的に三遠南信情報を掲載している新聞がある。CATVやコミュニティFMでも、共通番組の制作や相互の地域情報を流す取組も進んでいる。

・医師不足への対応や地域医療、地域福祉の充実を目指す、県境を越えた広域的連携は、どのような動きにあるでしょうか。
浜松では浜松医科大学があり、高度医療は比較的充実している。防災などにおいて南信州から浜松への期待は大きい。

・県境を越えた教育連携は、どのような動きにあるでしょうか。
生徒児童の交流はあるが教員の交流・連携は難しく、今後の課題である。

4.その他
・その他、地方都市圏・都市間の連携について、何かお考えや、参考になる事例がございましたら、ご教示ください。
三遠南信地域の取組は、基礎的自治体が中心となって、各主体の参加を得て進めており、地域主権の姿でもある。地域のことは、地域が決める。この地域の住民の意志である。


◆(社)東三河地域研究センター
○日 時:平成21年9月15日(火)10:00~12:30
○対応者:社団法人 東三河地域研究センター 常務理事                   戸田 敏行
○調査概要
1.三遠南信地域における連携の概略
・この地域が構成されるに至るまでの歴史的背景や共通する文化的背景・蓄積には、どのようなものがあるでしょうか。
修験者の道として中央構造線沿いに広まった文化が谷々に浸透し、民俗芸能 湯立ち文化(花祭り)をはじめ中山間部の一体感を形成した。

・浜松市が合併により政令市となり、飯田市や新城市でも合併が行われるなど、この地域でも市町村合併が進んでいます。市町村合併に伴い、地域内における地域間・都市間の分担や補完等において、新たに生じた影響や課題等はあるでしょうか。
遠州では広域拠点性が高まったが、南信は変化がなく、東三河は拠点性が低下している。

2.都市圏・都市間の連携の展開
・この地域の連携を担っている主な組織はどのようなところがあるのでしょうか。
三地域ともに自立した中で、手を組むのが三遠南信の理念である。県を跨いで連携する基礎自治体主体の組織として、平成24年に新・連携組織の設置を目指している。

・また、連携の手法や課題、課題解決における重要な点などをご教示願います。
県間の事業調整が難しく、国に直接交渉できる権限ある政策主体がないため、圏域をまとめていくのは容易ではない。

・この地域は、政令市、市、町、村と規模の異なる、数多くの市町村で構成されています。このことが連携に与えている効果や影響にはどのようなものがあるとお考えでしょうか。
また、「市役所・町村役場」の「連携」に対する考え方はどのようなものでしょうか。
三遠南信自動車道から遠い地域、自治体は連携意欲が低い。

・この地域がまたがっている「県庁」の「連携」に対する考え方や取組はどうでしょうか。
県内の基礎的自治体の連携から距離を置く傾向にある。各県は、地域連携の動きをいろいろな事業に戦略的に活用すべきだ。

・都市圏・都市間連携を進めるにあたり、課題となるのはどのような点でしょうか。
飯田は、西三河との連携で東海エリアと一体となろうとしており、三遠南信自動車道の整備促進は重要と言える。

3.三遠南信地域連携ビジョン等について
(1)地域連携の現状について
当プロジェクトでは地方都市圏・都市間の連携において、どのような分野・領域で分担や補完が可能か研究しているところですが、この地域における連携の現状についてご教示願います。
個々の地域にあったものを一つの土俵に載せ、三遠南信地域で合意を得、共通化を図り事業を進めることが、連携ビジョンの最大の目的である。

・(例)特に、東三河地域と遠州地域の間は、鉄道や道路が充実しており、地域間の交流も活発と思いますが、「県境」はどのように意識されているのでしょうか。
東三河は名古屋圏に対し、買い物や日常の用務では依存度が大きい。豊橋から名古屋方面への往来は多いが、浜松方面へは少ない。東三河との交流が深い湖西市付近では、県境での課題もある。

・(例)東海道線・国道1号線沿いに連なる、沼津市、富士市、静岡市、岡崎市等を中心として形成されている都市圏・各都市と三遠南信地域相互間における、交流や連携の有無およびその内容・特徴はどのようなものでしょうか。
名古屋圏は三河山地で東三河とは区分されているが、産業面ではトヨタ自動車関連の集積がある東三河は名古屋圏に含まれる。産業面は御前崎まで名古屋圏と一体化している。

・(例)経済・産業面(農林水産業を含む)において、民間企業における「地域連携」や、公的セクターの地域連携にはどのようなものがあるのでしょうか。
企業では、三地域相互間に一定程度の取引はあるが、各地域ともトヨタ自動車を擁する西三河との取引が大きい。三遠南信はサブ核としての位置付けは可能。

・(例)この地域は、自然、文化から産業観光まで幅広い観光資源をお持ちですが、観光面においてこの地域を一括してマネジメント・PR等を行う組織はどのような組織で、具体的にはどのような活動をしているのでしょうか。特に、複数の県や市町村にまたがる点をどのようにして調整しているのでしょうか。
三遠南信・伊勢志摩広域観光交流連携協議会で、広域的に観光客誘致などを図っている。

・(例)地域住民の医療行動(三地域間の医療機関の利用)はどのようなものでしょうか。
奥三河、南信州は浜松の聖隷三方原病院への依存度が高い。浜松医大を核とした医療体制構築も模索されている。

(2)南信州地域について
・南信州地域と東三河地域・遠州地域との人的交流及び経済交流(企業交流)の規模・内容はどのようなものでしょうか。
かつては飯田線沿線の繋がりが広域連携を支えていたが、中央自動車道開通後は名古屋圏に向かうようになった。
企業の受発注調査では、中央自動車道で遠回りするしかなく、交流は活発ではない。

・南信州地域からの東三河地域・遠州地域の都市機能の利用の規模・内容はどのようなものでしょうか。
現在は、交流自体が活発ではなく都市機能の利用はほとんどない。
高速バス利用で、飯田から名古屋は片道2,500円、東京は4,500円であり、そちらへ流れてしまう。若い人ほど東京志向が強い。

・南信州地域と東三河地域・遠州地域との交流における交通機関の役割分担の現状はどのようなものでしょうか。
中山間部の人の流れは国道151号に頼る。飯田線は通学ぐらいしか使われていない。

・この点、三遠南信道が果たすと期待されている役割はどのようなものでしょうか。
全線の所要時間が1時間30分、飯田~名古屋は2時間30分となり、地域間連携や通行危険箇所の回避、観光の振興等が考えられ、災害時の迂回ルートとしても機能する。

・南信州地域を中心とする地域は連携ビジョンでは「高原新定住圏」として位置付けられ、上流域と下流域の自治体の連携による流域定住を目指すとされていますが、具体的な連携内容や定住の状況はどのようなものでしょうか。
下流域の都市機能を使いながら近傍でいつでも戻れる状態での移住を想定している。
調査によれば、下流域の移住志向者は1%、二地域居住は10%程度に過ぎないが、200万人の人口があることから仮に1%であっても千人単位で人が動くことになる。

・南信州地域から見て、東三河地域・遠州地域との交流と、信州中部との交流はどう異なるのでしょうか。
南信州地域と上伊那以北の地域との交流は、文化的相違もありほとんどない。

・南信州地域から見て、東三河地域・遠州地域との交流と、中央自動車道を通じての岐阜・名古屋との交流はどう異なるのでしょうか。
南信州地域と名古屋、西三河とは、自動車産業(電子部品)関連の企業連携の拡大等があり、関係は深い。

(3)連携ビジョンの動きについて
・地域の一体感を高めるには、県境を越える情報共有化の推進は極めて重要ですが、新聞・テレビ等のマスコミによる県境を越えるメディア連携はどのような動きにあるでしょうか。
中日新聞は、唯一三遠南信全域で購読できる。他でも、地域版で「三遠コーナー」として地域を一体的に取り上げることは、行われるようにはなっている。CATVは、一部で番組の交換等を行っているが、事業者にとって広域化することのメリットがあまりない。

・県境を越えた教育連携は、どのような動きにあるでしょうか。
多くは児童・生徒など個別の学校のスポーツ交流等で、教師間の連携が少ない。