プロジェクトIII-B研究成果

1. 目的

中越地震の被災地である中山間地においては、高齢者の増加・人口減少、バス路線の廃止・公共交通サービスの低下などの理由で、高齢者や自動車を利用できない人が生活を維持・継続することが困難になっている。

こうした現状を踏まえて、山古志等をモデルとしてサスティナブルな公共交通サービスを提案・実証実験を行う。


2. 調査研究の方法

  • 路線バスの廃止が決まった長岡市山古志地区・太田地区の公共交通のあり方について検討する。提案だけでなく、実現を目指して検討を進めた。
  • 検討するにあたって、まず共通認識を議論し、それをふまえ、研究活動を行いクローバー・プロジェクトの検討結果を取りまとめた。
主な研究活動
全体会議3回
山古志・太田地区外出行動アンケート調査
住民主体の公共交通導入事例ヒアリング
商業施設への協力見込みヒアリング
複数の計画案と採算シミュレーション
  • 検討結果をもとに、長岡市、地域住民代表と「山古志・太田地区生活交通協議会」を開催した。
  • H20.7より期限つきでNPO法人中越防砂フロンティアによる運営・運行することで地域の足を確保した。
  • 公共交通を活用しながら、地域の活性化・コミュニティ向上を目指した。

3. 研究の結果(概要)

(1)共通認識

  1. マイカーによる移動を行う人も、公共交通の問題は地域全体の問題だととらえる必要がある
  2. 交通政策という視点から、コミュニティ・生き甲斐の創出、総合的なまちづくり、地域の生活を考える
  3. 中山間地域と全国を一律に論じることはできない。山古志・太田地区にあった交通を柔軟に考える
  4. 山古志・太田地区における事例を、路線バスの廃止が相次ぐ全国の過疎地のモデルとなりたい
  5. 「公共」の意味を問いただし、“持続可能”な公共交通とは、単に行政にたよることではなく、住民が参画する身の丈にあった公共交通である、と伝えたい

(2) クローバー・プロジェクトの提案

ビジョン

クローバー・プロジェクト
コンセプト
住民自らができることを考え、役割を果たすことで自由な移動を獲得する。
生活交通を復活させるだけでなく、地域のコミュニティと生き甲斐を創出する。
生活交通により目指すもの
【拠点作り】賑わいの創出、ライフスタイルの提案
【コミュニティ形成】声掛け・見守り、関係性づくり
【生き甲斐創出】地域貢献、交流人口増加
【本来の「公共」】必要なサービスと適度なサービスの提供、自治・自立・参画
【パートナーシップ】行政(教育・福祉)、民間(商業・医療)

運行ルート

「長岡中心部と山古志中心を結ぶ基幹路線(茎)」+「地域内を循環し茎と接続する路線(葉っぱ)」

運営主体・運行主体

  • 短期:地域の実情にあった公共交通を模索・構築する役割。フットワーク良くアイデアが出せる外部の組織。
  • 長期:地域住民に密着した組織による運営。運行も地域住民。

NPO法人中越防災フロンティアによる期限付き運営(平成20年7月より)