近年、これまで行政が担当してきた公の領域、及び公と私との中間的な領域において、行政と多様な主体の協働による地域づくりが急速に進展している。その結果、「新たな公」による地域づくりという概念が浸透してきたが、担い手の確保、資金の確保を含め、その活動環境にはまだまだ課題も多い。
そこで、人口減少や高齢化、厳しい自然環境といった北陸地域の情勢をふまえつつ、「新たな公」による地域づくりの実現に向けた具体的施策について検討する。
平成21年度は、地域に落とし込んだ実証実験を行う。

平成21年度研究成果

1. 実証研究テーマの検討

平成21年度は、昨年度の活動を一歩進め、具体的な仕組み(地域システム)に関する実証研究を行うこととした。そのために、まず具体的な研究テーマ及び想定地域について、委員の提案に基づき「除雪」「生活支援」「循環社会」「子育て支援」の4つのテーマを選定し検討を行った。

その結果、人口減少・高齢化の進行に伴い「除雪」が大きな課題となり、住民と行政が「協働」して取り組まなければ維持できない点やボランティアツーリズムによる地域交流の展開も考えられることから「雪処理(除排雪)のための地域システム」をテーマに決め、特定の中山間地区をモデルに検討した。

2. 現地ヒアリング調査からみえてきた課題

モデル地区での除雪の現状をヒアリング調査した結果、現在は右図の通り、地域住民が担っているが住民の高齢化と公共事業削減に伴う除雪業者の人員整理等により近い将来、担い手不足が予想される。

また、除雪対象により予算や担い手が分かれて不効率である。そこで地域外からの人材確保と限られた担い手・資金を有効活用する仕組みが必要となる。

3. 「新たな公による地域除雪システム」を提言

調査から判明した除雪に関する課題解決のため「新たな公」を用いた提言を以下の通りまとめた。

  1. 地域経営からみた次世代の人材確保
    除雪の担い手不足解消には、地域外から人材を確保する必要がある。地域経営の観点からは様々な除雪費を集約し有効活用するとともに、非冬期の「生業」との組み合わせにより人材を確保する。
  2. 地域経営からみた次世代の人材確保
    除雪の担い手不足解消には、地域外から人材を確保する必要がある。地域経営の観点からは様々な除雪費を集約し有効活用するとともに、非冬期の「生業」との組み合わせにより人材を確保する。
  3. 地域協議会の設置による効率的な運営
    住民責任、住民負担を原則とした地域除雪協議会を設置し、それらを核に内外の人材やネットワークを活用し効率的で効果的な運営を行う。(下図)
  4. 除雪に関する人材育成・技術継承の拠点化
    近年の少雪による道路除雪機械オペレーター実践不足やゲリラ豪雪の対策として、除雪技術継承のため常時積雪のある中山間地の特性を活かし人材育成・技術継承の拠点化を図る。将来的には豪雪時に周辺市町村の除雪支援を行う「広域除雪支援センター」としての機能も期待される。

プロジェクトⅣ 「新たな公」による北陸の地域づくりの調査研究 報告書